返納した免許をもう一度取るには 再取得の流れと試験
自主返納した免許は、あとから元に戻せません。もう一度運転したいときは、運転免許試験に合格して、新しく免許を受けます。警視庁の案内には、自主返納で取り消された免許を再び取得する場合は、運転免許試験の一部免除などの特例はなく、適性試験、学科試験、技能試験のすべてを受けて合格する必要があると書かれています。
返納する時点でできることもあります。道路交通法104条の4は、免許の取消しを申請するときに、別の種類の免許を受けたいと申し出る仕組みを定めています。この記事は一般的な情報で、個別の判断は運転免許試験場や警察署の窓口などにお願いします。内容は2026年11月5日に確認しました。
返納した免許は戻らない 再取得は試験から
自主返納は、法律では「申請による取消し」です(道路交通法104条の4)。公安委員会が申請を受けて免許を取り消します。警視庁の案内は、取り消された免許を再び取得するには試験を受けるものとしており、復活の手続きには触れていません。

運転免許試験の内容は、道路交通法97条で決まっています。免許の種類ごとに、次の3つについて行います。
- 自動車等の運転について必要な適性
- 自動車等の運転について必要な技能
- 自動車等の運転について必要な知識
警視庁の案内に出てくる適性試験、技能試験、学科試験は、この3つに当たります。
運転経歴証明書があっても、試験は免除されないのでしょうか。警視庁の案内には、運転経歴証明書を持っていることによる免除の記載はありません。書かれているのは、一部免除などの特例がないということです。運転経歴証明書そのものは、警視庁の案内のとおり、運転に使えません。
再取得の2つの道 指定教習所と直接受験
警視庁の普通免許の案内は、受け方を2つに分けています。指定教習所を卒業する方法と、運転免許試験場で直接受験する方法です。以下は警視庁の案内です。他の都道府県では、場所や手順が違う場合があります。

指定教習所を卒業してから受ける場合
- 指定教習所を卒業します
- 学科試験を予約します。学科試験は完全予約制です
- 府中、鮫洲、江東のいずれかの運転免許試験場へ行き、適性試験と学科試験を受けます
江東運転免許試験場は、取得時講習が免除される人のみを受け付けています。受験できるのは平日だけです。
学科試験の集合時間は、午前に受ける人が午前8時、午後に受ける人が午前11時です。適性試験の受付は午前8時30分から午後4時までです。持っていく書類には、卒業証明書または検査合格証明書があります。他の道府県の教習所が出した卒業証明書でも、東京都内に住んでいれば受験できると案内されています。
運転免許試験場で直接受験する場合
- 適性試験を受けます。受付は午前8時30分から午後4時までです
- 適性試験に合格したあとで、技能試験を予約します。技能試験は予約制で、適性試験を受けた当日には受けられません
- 技能試験に合格したあとで、取得時講習を申し込みます。受講しなければ免許証は交付されません。一部または全部が免除される場合もあります
技能試験の当日には、路上練習申告書が必要と案内されています。書き方や条件は、試験場の案内で確かめてください。
取得時講習の受講料の額は、警視庁の直接受験の案内にだけ載っています。金額はこの記事では示しません。申し込む前に、最新の案内を確かめてください。
受験の前に確認される条件
警視庁の案内にある受験資格のうち、再取得を考える人に関わる点をまとめます。

| 項目 | 警視庁の案内の内容 |
|---|---|
| 住所 | 東京都内であること |
| 視力 | 両眼で0.7以上、かつ一眼ごとに0.3以上。一眼が0.3未満または見えない場合は、他眼の視野や視力について追加の条件がある |
| 過去の処分 | 過去に取消処分等を受けた場合(初心取消を除く)は、受験前1年以内に取消処分者講習を受け、欠格期間を過ぎている必要がある |
| 受験日 | 平日のみ。土日祝日と12月29日から1月3日は休み |
視力が基準を満たさないと、受験資格を満たしません。表の「過去の処分」は、「取消処分等を受けた場合」と書かれた条件です。自主返納がこれに当たるかどうかは、警視庁のページに書かれていないため、この記事では判断しません。不安がある人は、受験の前に窓口で聞いてください。
必要書類は、「日本国籍の方で初めて取得する場合」と「運転免許証をお持ちの方の併記手続」に分けて書かれています。返納した人が取り直す場合にどちらの書類が必要になるかは、警視庁のページから判断できませんでした。申請用写真など共通のものもあるため、受験の前に試験場へ電話で確認してください。警視庁の案内の問い合わせ先は、府中運転免許試験場(042-362-3591)と鮫洲運転免許試験場(03-3474-1374)です。
返納のときだけできること 一部返納と事前の確認
道路交通法104条の4は、免許の取消しを申請するときに、取り消された場合には他の種類の免許を受けたいと併せて申し出ることができると定めています(1項)。公安委員会は、取り消した免許の免許証を返納してもらうなどした後に、その申出に係る免許を与えることができます(3項)。

たとえば大型免許を返納して、普通免許を残すような場合です。警察庁の認知機能検査Q&Aにも、大型免許だけを取り消して普通免許を残せることと、その場合は運転経歴証明書が交付されないことが書かれています。新しく与えられる免許は、取り消された免許を受けた日に受けたものとみなされます(4項)。
この申出は、取消しの申請と併せて行うものです。運転を続けるかどうか迷っているときは、返納の前に次のことを窓口で確かめてください。
- 全部を返納するか、一部だけ返納するか
- 残したい種類の免許があるか(普通免許だけを残す、など)
- 運転をやめる場合、運転経歴証明書が必要か
運転を続けるか迷う理由が家族の心配にあるときは、親に免許返納を勧めたいときで扱っている安全運転相談の窓口が使えます。返納後の車の手続きは免許を返納したあと、車はどうするにまとめています。
この記事で確認できなかったこと
次の点は、警察の公開ページで確かめられなかったため書いていません。
- 返納後に高齢になってから取り直す場合の追加の検査や講習があるか
- 返納してから年数がたった場合の扱いの違い
- 教習所に通う場合の費用と期間
気になる場合は、住んでいる都道府県の運転免許試験場か警察署に問い合わせてください。
出典
- 警視庁「運転免許証の自主返納・運転経歴証明書」 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/korei/henno_keireki.html
- 警視庁「普通免許試験(直接試験場で受験される方)」 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/annai/futsu/tetsuzuki14.html
- 警視庁「普通免許試験(指定教習所を卒業又は検査合格証明書をお持ちの方)」 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/annai/futsu/tetsuzuki01.html
- 警察庁「認知機能検査 Q&A」 https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/ninti/faq_r03.html
- 道路交通法(e-Gov法令検索・デジタル庁。97条、104条の4) https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105
いずれも2026年11月5日に確認しました。試験の場所、手順、費用は都道府県で違います。警視庁の案内は東京都の場合です。